【瓔珞(エイラク)】辛者庫(しんじゃこ)は存在する?辛者庫の本当の意味とは
みなさま こんにちは。
中国宮廷ドラマは美しい貴妃たちがバトルを日々繰り広げ位が上がったり下がったりしているわけですが、罪を犯した貴妃や女官が入れられる場所としてよく登場するのが「冷宮(ランゴン)」と「辛者庫(しんじゃこ)」です。
この者を辛者庫に入れてしまえ!😤
と、ブチギレした皇帝の命令により宮中の女子が辛者庫に入り誰もやりたがらないような辛い仕事をするようになります。先日の汀羅ブログで「冷宮」について解説したのですが「辛者庫」はどうなのでしょうか。
辛者庫の解釈については中国でも諸説あるとされていますが一般的に言われている意味を汀羅なりにまとめていきたいと思います。瓔珞以外にも古装ドラマでよく出てくる辛者庫です。ぜひドラマ視聴にお役立てください!
№1♥「辛者庫」は場所ではなく身分の階層
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「辛者庫」という文字を見ると「辛い者が集まっている場所」のように思えるですが辛者庫は一定の場所の名前ではなく、古代中国の身分の階層を意味しています。清朝時代の満州族社会には細かく分けられた身分制度がありました。
辛者庫は中国語でも「辛者庫 xin zhe ku」と同じ文字なのですが満州文字「sin jeku」が由来となっており「庫=建物や倉庫」の意味はないです。汀羅はてっきり罪人が集まって辛い仕事をする冷宮的な場所が存在するのかと思っていたんですがそうではなかったんですね!
清朝時代の人々は「八旗(バーチィ)」という軍事・戸籍制度の元に生活をしていました。辛者庫は「包衣(バオイー)」という奴僕や召使いのような身分の階層のひとつを指し、辛者庫=罪人ではなく管理者の立場の人も存在しています。
〈参考〉百度百科:https://baike.baidu.com/item/%E8%BE%9B%E8%80%85%E5%BA%93/7413312?fr=aladdin
№2♥労働内容はほぼドラマ瓔珞と同様
辛者庫の人々は自由のあるしもべ達で死ぬまで奴隷という身分ではなく、一定の年齢になると紫禁城を出て結婚をすることもできます。しかしながら罪人がいたことも事実で金を横領したりなど犯罪を犯した者もいたそうです。
辛者庫の労働内容を見てみると瓔珞がドラマの中で行っていた仕事とほとんど同じです。紫禁城内の掃除、草むしり、雪かき、米や油・水を運ぶ、牛乳を運ぶなど。汀羅はドラマ瓔珞を見て「辛者庫=トイレ掃除」かと思ってた!(笑)
〈参考〉百度百科:https://baike.baidu.com/item/%E8%BE%9B%E8%80%85%E5%BA%93/7413312?fr=aladdin
№3♥実はたくさんいる?辛者庫出身の皇妃
瓔珞は歴史上の人物「孝儀純皇后魏氏」がモデルであると言われていますが孝儀純皇后魏氏は身分の低い辛者庫(包衣)から皇后にまで上り詰めた人物として有名で、他にも歴史上にはこのような皇后が存在しています。
孝淑睿皇后喜塔腊氏、裕妃耿氏(弘昼生母)、嫌嫔刘氏(弘曕生母)も身分の低い包衣出身の后妃ですが瓔珞同様に後に高い身分となっています。辛者庫=罪人ではないので出世していくことも可能です。女子は皇帝次第でいくらでも高い位につけるということですね!
♥まとめ
ドラマの中で見る「辛者庫」と歴史上の史実は概念が異なっています。ドラマや小説では黒化しており地獄のような場所のように捉えていましたがそうではなく、下層だけどきちんとした身分と仕事のある人々のことでした。
辛者庫の仕事の内容は辛いものが多いのですがこれらの仕事なくして皇帝も貴妃たちも生活はできないですよね!だからとっても重要だなと思ったんです。辛者庫の人々は皇帝などの身分の高い人達に接することもあります。辛者庫出身で高位となった人物も史実に存在しています。